2021年未踏ジュニアの応募書類を読んでいて思ったこと。 申請書類に「類似品の調査」と書いたせいで、やって欲しいことが正しく伝わってないケースがあるように思いました。

2020年にメンターの寺本さんが書いたこの文章がわかりやすいと思います。

  • 既存のプロダクトやサービスを調査する際は、「その問題を解決するためにユーザーがとりうる全ての手段」を調べて、比較すべきです。これは単に「似ている製品」を調べるのとは違います。極端な例を言うと、電子署名のサービスを作る場合、競合サービスにはハンコも含むべきです。電子署名とハンコは全く別物ですね。しかし電子署名サービスを採用する人はそれまでハンコを使っていた人ですから、ハンコと比べてどう良いのかを考える必要があるのです。このように「〇〇したい人」の〇〇が似ているものを探して比較することが重要です。

図で描くとこうです。「手段Xを使って問題Yを解決すると顧客Zが喜ぶ」という提案をする場合に、手段Xに似てるものが違う問題Aを解決してる事例を見つけてもあまり役に立ちません。そうではなく似た顧客の似た問題を解決している、全然似ていない手段Bを見つけましょう。

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具体的なプロジェクトで考えてみましょう。 https://jr.mitou.org/projects/2020/brush_talk これは「話すことのできない人」Zの「コミュニケーションしたいけどできない」問題Yを解決するソフトウェアです。では、この問題を解決する上で他にどんな手段があるでしょうか? 例えば紙にペンで書く「筆談」があります。これが手段Bです。

類似の問題を解決する「手段B」を見つけたら、次にそれがうまく機能できない状況を考えます。 例えば、字が書けない人は筆談できません。幼児や手が震えて字が書けない人は筆談ができないわけです。提案するソフトウェアはあいうえおのボタンを押すので、そのような人でも使うことができます。

このように説明することで、あなたが提案するものがどういう時に既存のものよりも優れているのかを読む人に伝えることができます。