動画 https://youtu.be/aCouGYysRMU
スライド PDF 他人の言葉との付き合い方 2020-06-13 未踏ジュニアブースト会議 西尾泰和
多くの人に知ってもらう プロジェクトの目的にしばしば有益
多くの人に知られると… ネガティブな反応をする人に遭遇する確率が上がる
- ポジティブな反応をする人「面白い!」「楽しい!」
- ネガティブな反応をする人「つまらない」「くだらない」
スルー力が必要 「気にしない」「真に受けない」ようになろう
- ネガティブな反応を真に受けると、傷つく
- やる気がなくなる
- プロジェクトが進まなくなる
- 「つまらない」という言葉のウイルスを浴びて、あなたまでつまらない気持ちに感染してしまう
- 「真に受けないこと」が有益
夏のセミのたとえ 夏にはセミが鳴いてうるさい
- セミがうるさいのはあなたのせいではない
- セミを数匹やっつけても、まだたくさんいるし、毎年出てくる
- 「夏にセミが鳴く」はただの自然現象
- 「多くの人に知られるとネガティブ人が出る」もただの自然現象、気にすることない
反論したくなる?
- 特に相手が正しくないことを言ってると「違いますよ、感違いですよ」と反論したくなる
- 反論すると考えを改めてくれる人もいる(かも)
- プロジェクトを否定することが目的の人は…
論破されたら、別の人のところに行く 否定することが目的だから
失った時間は戻ってこない
自分のプロジェクトに全力投球 反論するよりもプロジェクトに有益
ネガティブな反応が怖い? 知識は恐怖の解毒剤
おびえた猫のたとえ 攻撃的な人は猫に似ている
- おびえた猫は、体を大きく見せようとし、大きな声で、攻撃的な音を立てる
- 自分を大きく見せようとし大きな声で攻撃的な発言をする人は、おびえた猫に似ている
- 手を出すと噛まれる
君主道徳と奴隷道徳 ニーチェは「良さ」の考え方が2種類あると指摘した
- 君主道徳
- 目的の実現に有益か?
- 有益なものが良い、有害なものが悪い
- 奴隷道徳
- 多数派が良い
- 君主などの統治者は少ないので悪い
- 統治される自分たちは多数派なので良い
君主道徳と奴隷道徳(続き) 力と平等
-
統治者は力を持ち、自分たちは持たない
- →力を持つことは悪いこと
- →少数の人だけが力を持つのは悪い、平等が良い
-
力とは具体的には?
- プログラミングの技術、50万円の予算、速いPC、メンターからのサポート、成果報告会の集客力…
- プロジェクトの目的達成に有益
選抜された少数に力を与えること 良いこと?悪いこと? (君主道徳派) プロジェクトの目的の実現に有益だから良い (奴隷道徳派) ずるい!平等じゃない!よくない! (君主道徳派) 50万×12プロジェクトで600万、高校生は全国で300万人、全員に平等に配ると1人あたり2円、何もできないぞ…
君主道徳と奴隷道徳(まとめ) 「良さ」の定義が違う人との議論は無益
- 「多数派が善」と考える奴隷道徳の人からすれば少数選抜の未踏ジュニアは存在自体が悪
- 根本的にあいいれない思想
- =議論をしても時間の無駄
- =プロジェクトの目的達成に有益ではない
付録
- ここまではネガティブな反応についての話だった
- 関連してポジティブな反応(アドバイスなど)について話す
何が有益な意見かを決めるのはあなた アドバイスはしばしば的外れ
- プロジェクトの目的を世界一理解しているのはあなた
- 何十時間もプロジェクトのことを考えたあなたに比べるとたかだか数十分〜数時間だけの人の理解度はイマイチ
- もらったアドバイスは見当違いかもしれない
- あなた自身で考えて「有益だ」と思ったものだけをやろう
- 誰かに「Xするといい」って言われて、自分で考えずにやると他の人に「なぜXしたの?」って聞かれた時に…
質問をして情報を増やそう 有益なコメントかどうかの判断材料を得るために
- 例「変更した方がいい」
- →「何を?」「何に?」「どう変更する?」
- 例「XをYに変更した方がいい」
- 変更することによってどういう問題を解決しようとしているのかわからない
- →「なぜ?」「その変更はどういう問題を解決するため?」
- その問題解決がプロジェクトの目的にどう関係するかわからない
- →「なぜ?」「プロジェクトの目的にどう関係する?」
- 変更することによってどういう問題を解決しようとしているのかわからない
まとめ
- スルー力が必要
- 失った時間は戻ってこない
- 夏のセミのたとえ
- おびえた猫のたとえ
- 「良さ」の定義が違う人との議論は無益
- 何が有益なアドバイスかを決めるのはあなた
参考文献 書籍
- みんなではじめるデザイン批評ー目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド
- 善悪の彼岸
- バルタサル・グラシアンの成功の哲学