フローからストックへの変換(raw)を整理してみる

  • フローストックの概念は曖昧だ

    • 流れる溜まる、と連想させる言葉だ
    • しかしチャットが流れるSlackでもログは溜まって検索の対象になる
    • 情報を蓄積する場所のはずのWikiでも、書いてメンテされず、参照されなくなるページ
      • 流れ去るのと変わらない
    • なので「流れる←→溜まる」の切り口はあんまり適当ではない気がする
  • 僕は個人の知的生産性の向上手段として、細かくアウトプットして後から組み立てることに興味がある

    • この「小さいもの」と「後から組み立てられたもの」はフローやストックに近い構図
    • 小さいもの、は、チャットの1行の書き込み、1ツイート、などをイメージ
      • グループウェア上で何段落もある文章を書いているのは僕には「小さいもの」に含まれない
    • チャットで複数人がリアルタイムにやりとりしてる時、それは小さいものの羅列になりがち
    • それを後から参照するドキュメントとして組み立てたいニーズがあるのはわかる
    • 僕の「小さいもの」に関しては、アウトプットのサイズが小さいことだけが要件
      • 他人と対話してるかどうかは別
    • 例えば1行日記をつけてる場合、それは「小さいもの」である
  • 他人とやりとりして「小さいもの」を作ろうという場合、相手が長文を話してくると厄介

    • 少なくとも1次元的に流れるツールでは厄介
    • 相手の一つの発言の複数の箇所に対して言及したくなる
      • が、文中の特定位置を指し示す手段が乏しいから
      • パーマリンクは投稿単位だったり、行単位だったりする
  • 異なる個人はしばしば同じ単語を違う意味で使う

    • 単語Xは意味Yであろう、という暗黙の仮定がしばしば否定される
    • そこの共有が不十分なまま大きな文章を作ることは固まってないレンガで塔を作るようなもの
  • その「ストック」とはどのようなものか?と問われなければならない

    • 僕の「ストック」は小さい形でアウトプットされたものが、事後的に組み合わさって大きくなったもの
  • その「組み合わさる」は?

    • なんでも良いわけではない
      • 例えば時系列に並べただけでも「組み合わさった大きなもの」になる
      • が、僕はより良い「組み合わせ方」をもとめている
      • 時系列でまとめるのは「ないよりはマシ」のまとめかた
  • どう組み合わせるのが良いのかは、何のために組み合わせるのかに影響を受ける

    • 具体的に考える
      • 何か技術的な質問をして、やりとりをして、問題が解決したとする
        • これをまとめるなら
          • 似た問題に遭遇した人が見つけられる
          • その人の問題が、再び議論することなく解決する
        • これがまとめる目的
      • ライブラリの解説ドキュメントなら
        • まず「はじめての読者が知りたいことをしれるチュートリアル」を用意
        • それから色々な頻出のニーズに対する解説
        • それから詳しいことを知りたい場合にそれを見つけることができるように階層的に整理されたAPIリファレンスが続く
  • Scrapboxで赤リンクを作るのは、将来別のものと繋がって価値を生むことを期待しての準備

    • 価値を生むための準備、か
    • 顧客や利用者に価値を生むための準備は、顧客や利用者が明確になってからしか作ることができない
    • だから、最初は「自分が将来再利用するための準備」になるだろう
    • 自分が価値を感じるテーマだから時間を割いて考える
      • 考えた結果アウトプットされたものはそのテーマの考えを深めるために重要
    • 時を置いて見返した時に過去の自分との議論になる
      • ある時に考えた意見に対して、未来の自分は同意しないことがある
      • 記録しなければ、いつのまにか意見が変わっていることに気づかない
      • 記録し、違いに気づくことで、綜合の機会になる
      • 複数の視点から考えることになる
  • 現在公開のScrapboxを使っていて不満なのは、そこに公開できないことを書くことができないこと

    • 何もかもが同じ場所に入って、つながり合うべき
    • 書籍の抜き書きとか、非公開のグループウェア上での議論とか
    • すべてがつながるべき
  • 「つながる」とはなにか

    • 書き出されたタイミングが異なっていたり、出元が異なっていたりするものが、事後的に関連づけられること
    • 人間の記憶は貧弱なので全ての対象を関連づけの対象として保持できない
      • だから保持を電子的システム(や、紙)に委ねる
    • 何と何を組み合わせると良いかは、事前にはわからない
      • だから、事後的に組み合わせを発見して、徐々に大きな体系へと育てていくのだ
  • なぜ体系が育つと良いのか

  • アイデアは既存のものの新しいつながり

  • グループウェア上にある程度大きな文章がある状態からどうすれば好ましい状態に至るか

    • 大きなものを一旦小さく噛み砕く仕組みが必要
      • 人間がやるか機械がやるかはさておき
    • 噛み砕くとは具体的にはどういうことか?
      • 文単位に刻むだけではダメそう
      • 意味の塊をくくり出す必要がある
      • 長生きする塊すぐ死ぬ塊がある
        • 長生きする小さな塊を生み出す必要がある
      • 「公明正大」とかは、長生きする小さな塊として成立してる
      • これも事後的にしかわからない
      • 切り出してから、時の試練でわかる
      • 結果的に長生きしたものだけが残る
      • だから塊を時を置いて再度レビューすべき
        • そのレビューで価値が残ってたものがまた時を置いたレビューの対象となる
        • ようなサイクルが必要か