労働は、生命を維持するための活動力であり、新陳代謝や消費と密接に結びつく肉体の労働であり、産物としては後に何も残さない。

仕事は、ワークが仕事をするという意味の動詞であるのと同時に作品を意味する名詞であることから示されるように、相対的に耐久力のある物を成果として残す活動力である。

活動は、人と人とのあいだで行われる言論や行為であり、絶対に他者を必要とする活動力であり、人間が複数であるという事実への応答である。

矢野久美子『ハンナ・アーレント』中公新書、pp.146~147