ドッグフーディングの罠

  • ドッグフーディングは短期的には自社製品に対する理解と愛着を深める
  • そのこと自体を原因として社内に「問題解決手段として自社製品Xを選ぶバイアス」が生まれる
    • 市場の多数派はXではなく他社製品Yを選ぶようなシチュエーションにおいて、組織のメンバーはXを選んでしまう
    • このバイアスは自己強化する。
      • 組織のメンバーがYを使う経験をしないことによって組織がYの知識を獲得できない。
      • それによってYはその組織の中でだけ「Xより劣った選択肢」とみなされ続ける
    • 長期的にはこのバイアスによる「市場との認知のズレ」が組織にとって致命的になる
  • 対策
    • 他社製品Yを試してみる行為を肯定的に評価する
    • 特に組織の新しいメンバーの判断を尊重する
      • 彼はまだXに習熟していない。これは「市場のサンプルとして機能できる」という長所である
      • 彼が他社製品Yを使おうとするならそれが市場の自然な反応である
      • 彼に対して「なぜXを使わないの」と圧力を掛けることは組織の知識獲得機会を損ねる