from 週記2023-10-07~2023-10-15 オープンソースと研究公開の交換様式についての考察 要約: ITエンジニアや科学者がソフトウェアや研究成果を公開する行為は、既存の交換様式A〜Cに完全には当てはまらず、これを「公共への贈与」とみなすことができる。
nishio ITエンジニアが作ったソフトウェアをオープンソースで公開することは交換様式論の交換様式A〜Cのどれとも当てはまりが悪いのではとおもってたんだが、そもそも科学者が研究成果を論文として公開するのもA〜Cに当てはまりが悪い。どちらもあえていうなら「公共に対する贈与」
nishio ゴセットが偽名でt分布の論文を書いたとき、企業内研究者は研究の内容を企業に差し出し、企業はその代わりに庇護を与えた。なのでこれは交換様式B。
ギネスビールでは秘密保持のため従業員による科学論文の公表を禁止していた…「スチューデント」というペンネームを使用して論文を発表した
nishio 技術顧問などの形で、月額いくらもらいますという話をして、企業からの相談に乗るのは交換様式C。 ではオープンソース公開や技術ブログの執筆や論文のプレプリントサーバへの登録はなんなのか。先に特定の対象に贈与して、その特定の対象からお返しが返されるなら交換様式Aの互酬だが、どうも違う感じ
nishio 「公共」という「人間より大きな存在」に対して差し出しているところは交換様式Bっぽさがあるけど、公共が庇護を返さなくなってきている。
0xtkgshn Paul Grahamがそんな話でエッセイ書いてた気がする
- →Eric S. Raymond ノウアスフィアの開墾