(5.4.3)の脚注でScrapboxに触れている。これを発展させて節にしたい。 エンジニアの知的生産術 加筆案 かいた (5.4.3-2) Scrapbox

ScrapboxはWikiの一種である。増井俊之が発明し、Nota Inc.がサービス提供をしている。 私は2017年から使い始め、2019年現在、私の公開プロジェクト(*1)には4000ページ存在する。 この英語版(*2)もScrapbox上で公開されている。

ここまでの節では、社会的なトリガーと、インターバルによるトリガーを紹介した。Scrapboxはもう一つのトリガーを生み出す。

Scrapboxの特徴の一つは「リンク」の概念だ。簡単な記法でリンクを表現することができる。このリンクは、ページ中の文章から他のページへの接続を表現するものでもあるが、それに限らない。現時点でページが存在していなくても、リンクを作ることができる。将来何かにつながったり、ページが作られると有益だと思える概念はリンクにしておくことができる。これは従来のWikiにも共通の特徴である。

Scrapboxは、リンクの記述時に、既存のページタイトルとリンクに対して曖昧検索が走る。これによって多少の表記ゆれを吸収して「過去に自分が、将来つながると有益だ、と思った概念」への接続がサジェストされる。

また、このリンクは、たとえリンク先にページがなくても、2ホップ先まで展開表示される。これによって過去の関連記事の発見能力が支援される。

このリンクがつながることによるトリガーがとても有益である。