2023-04-12にnishioがPlurality Tokyoへの参加にあたってまとめたもの
Audrey TangとE. Glen Weylが2022年の9月に提唱した概念
- 原典: Plurality: Technology for Collaborative Diversity and Democracy - RadicalxChange
- Audrey Tangとは
- 唐 鳳、オードリー・タン
- 中華民国のプログラマー、政治家
- 2005年、プログラミング言語Perlのバージョン6をHaskellで実装
- 2016年10月に台湾において入閣し、デジタル担当政務委員を務めた
- 2022年8月27日に新たに設置された数位発展部の初代部長に就任した
- 数位発展部とは、日本語で言えば「デジタル発展庁」
- Uberが台湾に上陸した際、vTaiwanという議論プラットフォームで数千人の市民が議論をし、当初の対立を乗り越えて両陣営から支持される意見が創発し、それが台湾政府によって実施された
- E. Glen Weylとは
- Eric Glen Weyl
- マイクロソフトリサーチの研究員で、経済学者
- 2018年 共著論文”Quadratic Voting: How Mechanism Design Can Radicalize Democracy”
- 2018年 共著”Radical Markets: Uprooting Capitalism and Democracy for a Just Society”
- これらによって提唱されたQuadratic votingとQuadratic fundingが、より良い社会的意思決定と資金分配の方法として有望視されている
- Gitcoinは実際にQuadratic fundingを用いてオープンソースなどの公共財的プロジェクトに対する資金分配を実現し、2023年現在で$50+ million(67億円以上)の実績がある
FAQ
- Q: 具体的にどういうこと?
- たかだか6ページくらいの原典ドキュメントなんだから読めばいいんじゃないかな
- Q: 簡潔に言えばどういうこと?
- ある概念が既存の言葉で簡潔に説明できるなら、それは新しい概念ではない
- Q: 大雑把に言えばどういうこと?
- 西尾の解釈では
- AIの急速な発展によって「よくないこと」が起こりつつある
- これに対抗する「よい」技術やツールや方法論がある
- しかし、こういう漠然と「よくない」「よい」では議論が困難なので、名前をつける必要がある
- 具体的な種々の技術によって「よい」方向への社会の変化がもたらされる、この「変化の方向」や「変化の先にある理想」をPluralityと呼んでいる
- vTaiwanやQuadratic Fundingが「よい」ことの具体例
- 上記に出てきていない具体例: AI画像認識技術の進歩によって監視カメラを介して政府が「誰がどこにいるか」を知りうるようになるのが「よくない」こと、政府の管理下にない分散ID技術によって物理的身体の危険を伴わずにオンラインで個人の人格を持てるのが「よい」こと
- 西尾の解釈では